監禁恋情

†††††††††††††

さくらは、病室のベッドで眠る紀一を見つめていた。

あれから、女性の旦那であるという中年の医師に紀一を診てもらった。
睡眠不足と栄養失調だそうだ。
点滴をして、しばらくこの病院に入院することとなった。
とは言っても、現在この病院は入院患者を受け入れていないので、特別ということになる。
つまり、病室には紀一しかいなかった。
看護師も少ないため、紀一の治療は夜、または昼休みに行われる。
さくらは、空いているベッドを使ってもよいと言われた。その他困ったことがあれば、患者がいない時に自分に尋ねてくれと、女性に言われた。

「…これから…どうすればいいの?」

紀一を見つめながら、呟いた。


一緒にやってきた相馬という男は、一度自分の家へ帰ると言っていた。
もう仕事は辞めるそうだ。
なんだか申し訳ないと思っていたら、
「仕事なんて何度もやめてるから気にするな!」
と豪快に笑っていた。