「あなたが名前をつけてくれたとき、私嬉しくて嬉しくて仕方かなったんですよ。」

「そうか。気に入っているのか?」

「あなたがくれた物は鉛筆の一本でもすべてお気に入りです。」

くすっと笑ってさくらが紀一に言った。
紀一は、照れたように、わからないくらい少しだけ顔を綻ばせた。

「今は私、希望でいっぱいなんです。沢山色んなことを学んで、本を読んで、いつかあなたに、あなたが教えてくれた言葉で手紙を書きたいとか、色々。」

さくらが、紀一を見つめる。

「私、生きていてよかった。あなたと出会えてよかった。紀一さん、ありがとう。私、


あなたが大好きです。」