最後の食事が運ばれてくる時間まで、二人はなにも会話しなかった。
やがて、玄関のドアが開く音がして、少女が立ち上がる。

あの男の部下らしき青年が、玄関のゴミを見てア然としていた。少女を見て、苦笑いした。

「こりゃ持ってくのが大変そうっすね。」

少女がそれに微笑む。

「でも、お部屋はとっても綺麗になりましたよ。」

少女の微笑みに、青年は顔を赤くした。そして、思い出したかのように

「旦那様から、あなたへの荷物を預かってますよ。」

ダンボール箱を少女に渡した。

「衣服だそうです。」

青年はそう言うと次々にゴミを玄関の外に出し、「それでは。」と言った。

「ありがとう。」

少女が言うと、男はまた顔を赤らめ、

「なんで君みたいな子が…。」

と少女を見つめた。


「何かあったら、いつでも言って下さい。」

青年は、ゆっくりと、ドアを閉めた。