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(ここは、どこだろう)


足がジンジン痛む。
自分は自分よりも遥かに大きな誰かに手を握られていて、その誰かが自分が足がもつれてしまうほどの速度で前を行く。
疲労感が足を襲う。

「早く来い、×××」

前を行く男が自分を呼ぶ。
名前を呼ばれた気がするけど、うまく聞き取れない。

ただ、自分は足がどんなに痛んでも、この男について行きたかった。
とても酷い目に合わされて来たはずなのに、この男の手が離されるのが、とても怖いと感じた。


(ああ……)


ただ、納得した。


(この人は、私の……)


何故そんな当たり前のことを、忘れていたんだろうか。

自分の中で絶対の存在。
自分の全て。自分の世界。

小さな小さな自分の、たった一人の、神様だった。