これが私の幸せなんだ。


「お!来たきた〜♪♪」


部屋に入ると、仲良くキッチンでたこ焼きの準備をしていた。


「美樹と柊君はそこに座ってて!もぅすぐ出来るから!」


テーブルには、ソースやチーズや色々なトッピングが置かれていた。



「で、松ー!!たこ焼き器は?」


「………あっ!」


松さんと優香が顔を合わせて、その2人の表情で悟った。



「いやいや。どんだけ天然なカップルだよ!たこ焼きするのに、たこ焼き器ねぇって、話にならない。」



「いや、優香の家出て買い物したんだけど…うっかり!!俺、買ってくるよ!」


「え、松が行くなら、ゆーかも行く!」




…ってなことで、柊と二人で残りの準備をしていた。



(なんか…新婚みたい!)

そう思った瞬間…



「なんか、新婚みたいだな。」



え?こんなことってあるの?



私は驚きすぎて、柊の顔をじっと見た。



「なんだよ、その顔!」



「いや…今、私も全く同じこと考えてて…こんなことって、あるんだなぁって!」



「そりゃ、凄い…あ!美樹!」


興奮しすぎて、指をきってしまった。


「平気だよ!こんなのすぐ治る!」



「あー。あんま深くないな…。」


心配そうに、私の左手を持ち、切った人差し指をそっと自分の口に持っていった。


「…っ!!」


「舐めたら治るだろう?」



ドキドキしすぎて、私は動けなかった。
指から伝わる柊の温度が、私の鼓動を騒がせた。



「し…柊。」


「美樹…」



今まで柊の口の中にあった指を離し、そのままお互いの唇が重なった。



このまま…このまま、時間が止まってくれれば。



そぅ思っていると、玄関のドアが開く音がしてお互い、元に居た位置に焦って戻った。