これが私の幸せなんだ。



2人で居る時間が好き。
2人で見るこの景色が好き。


出来ることなら、独り占めしたい。


たまに見せる悲しそうな横顔さえも、愛おしく感じてしまう。




もっと近くに行きたい。
柊の心に、もっと居たい。



せめて、2人でいる時だけは…
私のことだけを想っていて欲しい。




「なぁ、美樹?」


ねぇ柊…


もぅ、私、我慢出来ないよ。


「好きな奴に、裏切られるのは辛いな。」


「柊…?」


「ん?」


「私、柊のこと……。」



でも、言ってしまえばどうなるの?
この2人の時間がなくなる?
会えなくなるの?



「俺が、どうした?」



そう思うと、怖くなる。
柊が居ない世界なんて、考えられない。



「ううん、何でもないよ!」



柊と居れたらそれでいい。
柊が、私の名前を呼んでくれる。
それだけで、幸せだから。