その夜、お風呂から上がった私は携帯とにらめっこをしていた。
「はぁ…彼女いるのか、初めて会った時に聞いていれば、こんなことになってなかったのかな。」
好きって気持ちをやっと自分の中で、認めることが出来たのに…
♪〜♪〜
「わっ!!」
手の中にある携帯が、急に鳴ったのでびっくりして携帯を落としてしまった。
「もしもし?」
「あ、今何かしてた?出るの遅かったな。」
「ううん。何もしてないよ。」
だけど、どれ程嫌いになろうとしてもこの優しい声を聞いてしまうと、全て忘れてしまう程で。
「あ、やいてやったぞ!CD!」
「ほんとに??ありがとう!」
旅行の時、車で聴いてた曲に私もどっぷりはまってしまい柊にCDを焼き回ししてもらったのだ。
「明日、持って行くな!!
あ…お前、今度の土曜日何してる?」
「土曜日ですか?いえ、何も!」
「じゃ…買い物付き合って?飯、おごるからさ!!」
「はい!喜んで!」
私はドキドキとワクワクで、電話を切った後も落ち着くことが出来なかった。
嬉しい!嬉しい!嬉しい!
柊とデート…何着て行こうかな!
私の気持ちは、諦めるどころかどんどん膨らんでいってしまった。
