その時、ポケットの中で携帯が鳴った。
「もしもし…」
「美樹?今どこ??もぅ、授業終わっちゃったよ??」
「優香…ごめん、心配かけて。」
「そんなの、謝ることじゃないから!帰ろう?校門で待ってるから。」
電話を切り、屋上を後にした。
「はい、鞄!」
「ありがとう。」
「柊君のこと?」
「あ、うん。」
「松も知ってたんだって、柊君に彼女いること。
でも、なんか上手くいってないみたいでさ?」
「それって…」
「ううん!美樹は関係ないみたいだよ!旅行行く前から、別れる別れないの喧嘩を何回もしてたみたいだし。
三年も付き合ってたら、馴れ合いとか色々あるからって松は言ってた。」
「そっかぁ…」
「でもね?柊君、人が変わったみたいに明るくなったって!
美樹ちゃんと居る時の柊は、心から笑ってるっていうか…柊らしいって思うって!!」
「松さんって、柊の彼女のこと知ってるの?」
「いや、あまり知らないみたい。地元の子らしいんだけど…松も2.3回しか会ったことないんだって。」
「そうなんだ…」
「美樹?好きならぶつかりなよ!!あきらめきれないんなら、奪うつもりでぶつかるしか、ないよ!!」
「優香…」
「ゆーかはいつでも美樹の味方だから!」
「ありがとう、優香。」
