夜景に連れて行ってもらった時。





車の中で、突然放たれたその言葉を受け止めることが出来なかった。


「俺、彼女いるんだよ。もぅ、中学の時からだから3年になるんだけど…

そう言えば、ここが初めてのデートだったなぁ。」




それはあまりにも残酷だった。
柊さんの優しさに、言葉に、目に、私はおぼれてしまっていた。


彼女がいるかなんて、全く頭になくて…


ただただ、柊さんと一緒にいたかった。
柊さんと時間を共有したかった。



それだけだったけど…




伝えてもいないのに、振られた。
始ってもいない恋なのに、終わりを迎えてしまったのだ。