家から自転車で20分のとこにある
小さな一軒家。
そこが私の生徒の住む家。

夏休みになっても、勉強三昧。


インターホンを押すと、
若いお姉さんが出てきた。

「こんにちわ!和也君の家庭教師の
桜井美樹です。和也君はご帰宅されてますか?」


和也君にはお兄さんしか
いないと思ってたけど…お姉さんいたんだ。
そんな、ことを思いながら
若いお姉さんは家に上げてくれた。

「こっちで待っててよ、先生。」


そう言って、二階の和也君の部屋へ向かった。



(にしても、化粧濃いな…和也君のお姉さん
にしては少し愛想もないし。)

そんなことを思っていると二階から
叫ぶように、お姉さんの声がした。


「和也!先生だって!
家庭教師だなんて無駄使いなだけなのに。
彼は本当にバカよね。」