「うわ!何ここ!!」
高校生が気ままに入れるようなところではない。
店内には、大きな水槽があり、
いろんな魚達が気持ちよさそうに泳いでいた。
まるで、水族館みたい。
水槽がよく見えるように、計算されて置かれているテーブル。
カウンターには、所々にテーブルに埋め込まれている小さな水槽。
「夢でも、見てるみたい…」
「いらっしゃいませ。2名様ですか?
お席へご案内致します。」
「おい!行くぞ!」
あまりの凄さに、目を奪われてしまった私はその場を動く事が出来なかった。
「あ、はい!すいません!」
「こちら、メニューでございます。
ごゆっくりどうぞ。」
「ほら、好きなの選びな!」
「えー!どれにしようかな…」
優柔不断な私は、中々決められないでいた。
「決まったか?」
「いやぁ…」
「どれとどれを迷ってるんだ?」
「えっと…ほうれん草と鶏肉のクリームパスタか、煮こみハンバーグセットかを迷っています。」
「わかった。じゃ、俺が煮こみハンバーグセット頼むから、美樹パスタ頼め!!
それなら、両方食べれるだろ?」
満面の笑みを浮かべた私に、柊さんはスッと頭を撫でて、その手を挙げて店員さんを呼んで注文してくれた。
