「そういえば、香奈ちゃんのこと…」
「香奈さんがどうか?」
「さっき、松送った時に、優香ちゃんから聞いた。
美樹、香奈ちゃんにキレたんだってな?」
「え!キレたなんて…」
「ふはははは!やっぱ、お前は最高だよ!!」
「それ、からかってますよね?絶対。」
口を膨らませて、窓の外に視線をずらした。
「いや、褒めてるんだよ!
初対面の奴に、説教出来るその根性というか…。
真っ直ぐっていうか。」
「もぅ、いいです。どうせ私は、口の悪い根性座ってる可愛くない女ですよ!」
「拗ねるなよ〜!
でも…ありがとう。お前には、隼人のことにも、本当に感謝してるんだ。
お前は、美樹っていう人間は、
俺の想像をはるかに超えてくる女の子だ。
こんな、真っ直ぐで純粋な女の子、初めて出会ったよ。」
そのまま、窓の外に視線を置いていた。
「なぁ、まだ拗ねてるのか?」
今、振り返って柊さんの目を見てしまったら…きっと…
「悪かったよ。頼む、こっち向いてくれ。」
きっと………
「みーき!!
……………。」
≪目的地へ到着致しました。≫
あなたに、おちてしまうから。
