これが私の幸せなんだ。



「香奈さん…みんな弱いんだよ?
誰かに必要とされたい。
誰かに愛してもらいたい。


でも…今、香奈さんがしてることは、誰の為にもならないこと。

健さんにしても、隼人さんにしても、香奈さんにしても…
だーれも、幸せなんかじゃない。



本当は気付いてるんでしょ?
自分がどうするべきか。」




「わかってる。


でも、どーしたらいいの?
私が健に別れを告げれば、健は隼人を傷つけるじゃない。

…そんなの、耐えられない!」



「香奈さん…隼人さんが好きですか?」


「…好きよ。大好きよ!!!」


「じゃ、あなたのその苦しみを隼人さんに半分あげてください。」


「え?」

「隼人さんはきっと、あなたの荷物を喜んで持つと思いますよ?


だって、あなたを愛しているんですから。」


「………!!」



「依存し合う恋愛より、
分け合う恋愛の方が、ずっといいに決まってるじゃないですか!」



「あんた……」


口を抑えたまま、静かに涙をこぼした。





「香奈…幸せになって?お願いだから、そんな背伸びしないで?

香奈らしく…笑って?」


優香は、泣いている香奈さんを包み込んでつぶやいた。