これが私の幸せなんだ。


翌日。

優香と駅前で待ち合わせて、香奈さんの通う高校へ向かった。


優香いわく、香奈さんの高校は夏休みが他より2週間遅いらしく、まだ夏休みに入ってないらしい。




電車で15分ほど揺られ、そこから4.5分歩いたら、学校らしき建物が見えた。



「あれ?」


「そう。◯◯◯高等学校。あそこに香奈がいるはず。」




校門に着き、優香と香奈さんを待った。









しばらくしたら、金色でショーッカットのいかつめな人が現れた。


「香奈…」


その人は、こちらに視線を向けて、面倒くさそうにため息をこぼしながら、歩いてきた。




「今度はなに?あ、隼人に頼まれたの?私のこと探って来いって。

あいつもしつこいんだよ!」


「香奈…違う。隼人君は関係ないの。」


「じゃ、何なの?私のことはほっとけって言ったでしょ?」



優香の胸倉を掴み、にらめつけた。


「ちょっと…やめ…」


手を離そうとした時、裾から少しだけ香奈さんの腕が見えていた。


その腕には、青紫色になっているあざが何箇所にもあった。


「は?誰だ?」



「優香の友達の、桜井美樹です。
今日は、香奈さんに話があって。」


「あんた、関係ないでしょ?」


「いいえ。あなたのせいで、隼人君、悩んで苦しんでいます。」


「隼人?あんたなに?隼人の彼女?」



「いいえ。けれど、友達が悩んでるのに、ほっとくわけにはいきません。

優香も、苦しんでいます。」




「は?正義のヒーローのつもり?

あんた見てると、前の私見てるみたいでヘドが出るわ。


どーせ、あんたも偽善者でしょ?
相手の為、相手の為って言いながら結局は自分の為。

周りに良く思われたいから。」



「なにがいけないの?」


「あ?」


「周りに良く思われたいから、優しくする。それの何がいけないの??


人間、みんな見返りを求めるもの。
優しくしたら、優しくされたい。

そうじゃない?」



「…あんたみたいな、綺麗ごとばっか並べる奴、私、大っ嫌いなのよ!」


「私もあなたみたいな人、大っ嫌いよ。」



「ちょ、美樹…」



「でもね!そんなあなたみたいな人を、大切に大切に想ってるひとがいるんだよ!


どれだけ傷つけられても、
どれだけ裏切られても、
あなたのこと、諦められない人がいるのにまだ、そのままでいるつもり?」



「……。」



「健って人は、あなたに何をくれるの?」


「健?…言葉よ。毎日、愛してるって言ってくれる。私を必要としてくれてる!

私がいないと、あの人生きていけないの!!
健は、依存してくれてるの!私に!
私も健が必要で、依存してる。」



「違う…」


「何が違うんだよ!」



「あなたが依存してるのは、彼じゃない。



彼をほっとけないって、情けかけてる自分に依存してるんだよ!」




「……!!!!」