これが私の幸せなんだ。

私は走った。
こんな最低な女、性格が悪い女。


なんであんなこと…
優香…ごめん!!ごめん…ごめん!





「きゃっ!」



足をくじらして、私はその場で倒れこんでしまった。

「痛っ…」


足首が、真っ赤に腫れて徐々に紫色に変わっていった。



「あーぁ。戻りずらいなぁ。
って、この足じゃ戻れないか。」




ふと周りを見渡すと、
小さなロッジが2.3件立ってるだけの静かな場所だった。


「携帯も置いてきちゃったし…
痛みが引くまで歩けないし。


とりあえず優香に謝らないと。」



そんなことを考えていると、
どんどん辺りは暗くなっていき、ロッジの明かりも1件しか着いていなくなっていた。



「なんか…不気味…」



さっきまでなかった恐怖心からか、
余計に立つことが出来なくなっていた。





怖い…助けて…誰か……

優香………


柊さん!!!



「柊さん!!怖いよ…助けて!
柊さん!柊…」




ふわっと、何かに包まれた。
温かくて、優しい腕。



「よかった…無事で。」



顔を上げると、汗でビショビショに
なった柊さんがいた。



「お前…なにしてんだよ!!
こんなとこまで来て、帰れなくなったらどーすんだ!馬鹿!!」



「グズ…ごめんなざい…」



「……。怒鳴って、悪かった。
もぅ大丈夫だからな。よしよし。」


…これだ。
隼人さんに頭をなでられた時に、感じた違和感。
私が必要としてるのは、この手だったんだ。



「うわぁぁぁぁん!じゅうじゃーん(柊さーん)!!」


「わかったから、もう泣くな!
お前わ…つくづくほっとけない。」