これが私の幸せなんだ。



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あの日。屋上にいると誰かが来て、
すごい不機嫌に名前を聞いてきた。


「桜井美樹です。」


「美樹ちゃんはどうしてそこにいるのかな?」


不機嫌そうに眉を寄せ、彼も腰を落とした。


「きっと、同じ理由だよ。あなたがここに
来た理由と。」


「あっそう。てか、柊だって。
あなたじゃなくて柊って呼べ。」



そう言ったあと、柊は
ただじっと空を見上げた。

そんな柊の横顔は少し悲しげで
今にも倒れてしまいそうだった。


私は何も言わず、柊さんの隣に座った。
同情なのかもしれない。
でも、今、柊を1人にしたら
どうなるのだろう?って…


「ガキの癖に、同情なんてするな。」




「同情じゃないです。悲しみは消せないけど
癒すことなら、出来るかもしれないって
思っただけです。」


「それを同情っつぅんだよ。」


そぅ言いながら柊は優しく笑った。