〜♪♪
着信*柊
戸惑ってしまった。あんな夢をみたあとに、柊から着信がくるなんて。
「もしもし…」
「あ、俺…今大丈夫か?」
わかっているのに…
出てしまえば、終わり。
気持ちは止まらなくなる。
何度も無視をした。出来るだけ関わらないように、メールも見ずに消した。
そうやって何度も何度も、諦めようとしたのに…
柊は、何度も電話をくれる。
私の気持ちを知っているのに、何も言わず。
いっそのこと、冷たくされた方がいい。
これなら諦めきれない…
何度も何度も思い悩んだ。
でも…柊が私を利用してたとしても、柊が私を必要としてくれてるんだと思えば、辛くなんてなかった。
柊が何度も「美樹」って、私の名前を呼んでくれるなら、騙されててもいいって。
「お前、寝てたのか?寝起きの声だな。」
ただ、傍にいれるなら。
「うん!仮眠のつもりが、6時間も寝ちゃって…」
私はそれでいい。
