それから数日後、グルメ雑誌で取り上げられた人気のイタリアンカフェに、優香と来ていた。
「わぁ!お洒落だね!」
木を基調に造られていた店内は、イタリアより、日本を想像させるようだった。
それもそのはず。
ここの店長はイタリア人、大の日本好きで、イタリアで修行を積み、わざわざ日本に来て店を立ち上げたのだ。
「40分待ちでも凄い人だったよね。」
その店で1番人気の、牛頬肉の煮込みを注文した。
優香は、オムライスを頼んだ。
「で…美樹?前の山本君のこと覚えてる?」
「う、うん。」
「美樹が居なくなったから、山本君に何があったのか聞いたの。
でも、山本君、俺が悪かったってだけ言ってどっか行っちゃったんだよね。
だから!説明して!あの日のこと!」
「優香がお昼ご飯を買いに行った時…」
私はあの日のことを話た。
もちろん、山本君は私を心配してくれてあんなことを言ったのも、ちゃんと優香に伝わるように。
