「部屋、戻ろ?冷えてきたね。」
混乱していた。
柊は何を考えているの?
気もないのに、どうしてそんな言葉をかけてくれるの?
彼女いるのに…なんで…
「柊、私帰るね。もぅ遅いし、電車間に合わなくなるから。」
そう言って鞄を持ち、家を出た。
駅へ向かう途中、柊から着信が入った。
「美樹?今どこだ?」
「まだ駅に着いてない。なんか、大きな信号のところ。」
「待ってろ、送ってやるから。」
その数分後、黒い軽自動車が私の前で止まった。
「美樹!!待たせて悪かったな…送るよ。」
そのまま助手席に乗り込み、家まで送ってくれた。
「わざわざありがとう。」
「気にするな!体冷やさないように早く寝ろよ?またな!」
そう言って、柊は行ってしまった。
そのまま布団に入り、いつのまにか眠りについていた。
