部屋に戻ったのはいいが…
抱き合って寝ている2人の横で、寝るのもなんだか気まずくて。
「美樹、来てみな!」
2人を起こさないよう、小声で柊が私に手招きをした。
「わぁ!綺麗!!」
ベランダに出て、空を見ると無数の星がちりばめられている。
「美樹は本当に、星とか夜景とか好きだな。」
「うん!だって、凄いと思わない?
太陽の光に反射して、キラキラしてるんだよ?それに、星と星を繋げば色んな形になる!
夜景もそうだけど、この世界に星も光もなくなったら、真っ暗で夜過ごせないじゃん!!
そう思うと、偉大だと感じるの。」
私が嬉しそうに話すのを、隣で笑って聞いてくれた。
「たぶん、美樹のそんなとこ。」
「ん?私?」
「みんながほっとけなくなるんだよ。
素直で純粋で、だからこそ何回も転ぶ。
その場が笑顔でも、屋上ではいつも1人で泣いてる。
守りたい。こいつを、俺の手で守ってやりたい。そう、思うんだよ。」
「え…なんで知ってるの?屋上…」
「お前が入学してくる前から、俺の場所だったんだよ!!
なのに…いつも俺より先に来て。
文句言ってやろうと近付いたら、涙流してて。
戸惑った俺は屋上をでた。
それから何度かお前を見かけて、居ないと思えば机のとこに隠れてた。
俺の場所に入ってくるは、俺の心の中にもズカズカ入ってくるお前を、俺は放ってはおけないんだよ…」
