暗闇のなかを二人で歩いていた。ただ並んで歩いているだけなのになんだかとてもドキドキする。
何でだろう?
辺りが暗いから?
また不審者が出るかもしれないから?
それとも…
筑紫さんと歩いているから?
なんだか最近、筑紫さんにあってから自分が良くわからなくなってしまった。
本当の気持ちに気づかない。
私は、こんなに自分と戦っているのに筑紫さんは涼しそうな顔をしてる。
そりゃそうだよね。筑紫さんからしてみたらクラスメイトを家まで送るだけだからね。
色々一人で考えていたらもう家の前まで来ていた。
「こっここです。送ってくれてありがとう。」
「うん。いいよ。明日からは気を付けなよ、夢音はかわいいんだから。じゃあね。」
喋りながら走って行ってしまった。
お礼も言えなかった。
…なんだか気のせいだと思うけどさっき『夢音』って呼ばれたような…
きっ…気のせいだよね。
絶対にそんなはずないし…
さっ!お風呂に入って明日のために寝よう!

