「え~、今日は私たちpoison musicから大事な知らせがあるの」

最後の曲を無事、唄い終わり、智也のことを話した。
否定するファンの騒ぎ声。
私は後ろを振り向き、智也を見た。
私だって受け入れたくない真実。
すると、智也がある一枚の紙を私に手渡した。

「読むの?」

智也は頷いた。

「歌いたい、たまにそう思うんだ。‥これは嘘じゃない、真実だ。俺も受け入れがたい真実なんだ。だから理解して欲しい」

静まるファン。
私は涙を抑えきれなかった。
ごめんね、ごめんね。
その場でしゃがみこんみ、何度も誤り続けた。
手の中から滑り落ちるマイクが音を立てた。
すると、

「あたしpoison music好きだし、智くんのこと理解する」

一人の女子高生が大声で意見を述べた。
他のファンもその後に続いて所々から意見を発していた。
私は驚いた。
こんなに暖かい人たちからの言葉が胸に染みるなんて。

「…」

しゃがみこむ私に手を差し伸ばす智也の姿。
声は出てないけど貴方が言っていることが分かったよ。
私はマイクを握り締め、再び毒のような音楽を
彼と共に唄った。