大人数の医者が智也が横になっているベッドを手術室から出した。
端に看護士と共に立っていた。
看護士たちの話によると六時間の緊急手術を行ったらしい。

「小泉さん、お話があります」

智也が集中治療室へ入った瞬間、院長らしい人に話しかけられた。
それは深刻な問題だろうか?
私は院長の顔を見て確信した。

「‥智也さんはトラックの衝撃で頭を強く打ってます。何か…小泉さん!?」

思った通りだった。
話を振り切って集中治療室のドアを開け、智也が眠る部屋の窓を強く叩いた。

「智也!智也!!!」

看護士たちに捕まり、その場から出されそうになった。
泣きながら大声で智也の名を呼ぶ私。
苦しみながら。




数日があっという間に経過した。
私はもう退院出来るくらいまで回復していた。
智也のことは看護士から知らされなかった。
病室の窓を開け、風に当たっていると、

「小泉さん、柳原さんが…」

一人の看護士が智也のことを知らせに来た。