二階ということもあり、窓を全開にした部室には一応風が吹き込んでいる。

微かなその風に、ケイは軽く目を細めて笑う。窓から見下ろすと建物に入って来るメンバーの姿が見えた。

「なー、ノボルちゃん。俺さ、思うんやんかー。」

しばらくの沈黙。
かけていたタオルをかけ直してノボルは小さく息を吐く。

「……何を?」

一応ちゃんと聞くのはノボルの良い所だ。なんだかんだと優しい…といつもこういう時に感じる。

「寂しいねん。」

いきなり言われた言葉。

眉を寄せて渋い表情をしたノボルが起き上がる。

タオルが落ちても気にせずジッとケイを見て一言。