本家の王城の造りは王に相応しく広大であり、瓦屋根には見事な龍が天を見上げている。龍とは、王の象徴ともいえよう。
王城の室は、洗練されており、どの家具も国の貴重な物ばかりだ。また、広大な庭園は本家の誇りであった。
春には、壮麗な桜が咲き誇り、秋には夕日に染まる紅蓮のような紅葉を観ることができる。
一方、分家の城は狭小である。瓦屋根には飾りは施されていない。
室は、王族らしい豪壮ではあるが本家に比べ控えめだ。庭園は無いが中庭がある。
次代の王が二人の姫のうちとなるとしたら、どちらかが二つの王城の主となる。しかし、王になれるのは一人だ。
それを決めるのには、勉学などにおいて優れた者が王になれるのであった。
