そして問題児





梨央。



あたしは梨央を呼び出した。




梨央はビクビクしながらあたしを見てたけど、



別に何かしようとか思ってないから。






「梨央ちゃん…まだ研を好き?」



あたしの問いかけに梨央はコクンと小さく頷いた。





「そっか。好きになるのは自由だからね」



梨央の顔は驚いていた。



「でも…許したわけじゃないよ?アナタのせいであたしと研は辛い思いしたんだからね」



梨央の顔が再び曇っていく。




あんなに強がってた姿が嘘のよう。





「でもね、もういいよ。アナタだって辛かったんでしょ?」










「…ごめんなさい‥」









梨央が謝った事に少し驚いたけど…あたしはその言葉を受け入れる事にした。




「又…あたしと研を邪魔したら今度は許さないよ?どんな手使ってでも梨央ちゃんを痛めつけるから」



そう言ってあたしはその場から去った。




「はい…」という声が後ろから聞こえた。




その声は震えていた。