「なんだよ?研」
それまで黙ってた俊が聞いた。
研は気まずそうに小さな声で言った。
「実は…梨央は今…俺んちに住んでるんだ…」
「はぁ!?」
菜帆声でかすぎ…
研の話によると、
梨央の家は学校から遠いらしい。それでもこの高校に通いたいという梨央の強い願望があった。遠いと大変だからって話し合った結果、研の家に3年間住む事が急遽、決まったらしい。
イトコだから出来る技だね…
「うちの親が梨央を可愛がっててさ。俺の知らない間にもう決まっててさ最近引っ越してきたわけ…」
言おうと思ってて忘れてたって研が言った。
「まさか…隣の部屋じゃないよね?」
気になったから聞いてみた。
研の目が……
泳いでる。
まさか…
「…隣なんだ。空いてる部屋がそこしか無くて」
「最っっ低!!!」
菜帆が叫んだ。
俊が菜帆を宥めようとしてるけど菜帆は怒りを抑えられてないみたい。
ずっと研を睨みつけてる。
あたしもムカついたけど…
我慢して研にそっと寄り添った。
「研はあたしの彼氏だもん」
そう言うと研が微笑みながらあたしの髪を撫でた