お姫様だっこ




「なに2人で話してたんだ?」


教室に向かって歩いてると声をかけられた。


「研!?」



研がコッチを見つめてる。


一気に顔が熱くなった。


「え?」


「お前が真剣な顔して俊を引っ張っていくからさ。ビックリするだろ」


あ、そっか。

研に見られてたの忘れてた…


「あのね、菜帆が苦しんでたから」

「なんで?」


あたしは研にさっきの出来事を全部話した。




「アイツら馬鹿だな」

「ねぇー」

「美優は優しいな」

優しい笑顔で研が言った。

「へっ?」


「ん、これあげる」

あたしの手に乗った、
チョコレート。


「友達思いな美優にご褒美」

「ご褒美?」

「いらなぃ?」


「い、いるぅ!あたしね、チョコ大好きなんだぁ」

「知ってる」

「え?」

「さ、行くぞー。菜帆に伝言あるんだろ?早く伝えてやらねぇと」


今、知ってるって言ってくれたよね?何で知ってるの?菜帆に聞いたのかな?


こんな小さな事でドキドキしてるよ。




やばいな、心臓…。