小さな恋のうた *毎日更新中*

『早川っ』


次の日、廊下を一人で歩く早川に声をかけた。


『マドレーヌ、おいしかった。ありがとう』


見下ろすオレを見上げる早川。


並ぶとやっぱり小さい。


何事かと見ていた目が、瞬く間に笑顔に変わる。


不覚にも、かわいいと思ってしまった。


いや、多分、女としてではなく。


多分というか絶対に。


生徒を女としてかわいいなんてありえない。


でも…。


同級生くらいにいたら…。


オレも大樹と同じように想っていたかもしれない。


それくらいに、いい笑顔をしていた。


早川はいつまでも嬉しそうに笑っていた。