本当は誰かに隣りにいて欲しい。

 さみしい時、つらい時、話を聞いてもらいたい。

 何より、同じ時間を共有して、一緒に笑って食事して、みんなの様に普通の幸せを感じたいと思う。

 普通の幸せって、とてもありがたい事なんだ。
 そしてきっと、その幸せの種は忘れた頃にやってくるのだろう。
 新菜の所にも、きっと。

 新菜は外に干した洗濯を忘れたまま、家を飛び出した。