「ありがとうございます」 頭を下げてお礼を言うと、私は思い切って口を開いた。 「あの、類さんに会ってもらいたい人がいるんです」 「……どんな人?」 少し間があって、類さんが問い返す。 「類さんに似ている人です」 そう言うと類さんは「あぁ」と頷いた。 「初めて僕に会った時に間違えた人だね」 その言葉に私は小さく頷いた。