「僕ね、人が苦手なんだ。だからいつも一人」 そう言うと類さんは寂しそうに笑った。 その横顔に胸が締め付けられる。 「家族の人は……?」 その質問に類さんは哀しみの混じった瞳を私に向ける。 「家族はいないんだ」 「ご、ごめんなさい……私……」 その答えに悪い事を聞いてしまったと思い、私は口を押さえる。 「謝らないで。もう気にしてないから」