「やっと来てくれた」 私の横に腰を降ろした類さんが私を見つめて嬉しそうに言う。 「待っていてくれたんですか……?」 私の問いに類さんはゆっくりと頷く。 「うん、君に会いたかった」 そう言って、類さんはスケッチブックを広げる。 その言葉に胸が温かくなる。 「ありがとう、ございます……」 類さんの優しい声と笑顔に、心が解されていく。