「真子」 公園の入り口にやって来た私を、ベンチに座ったハルキがいち早く見つけて軽く手を振る。 「ごめん、待った?」 上がった息を整えながらハルキの横に座る。 「めっちゃ待ったんだけど」 そう言ってふて腐れた顔をするハルキを可愛いと思ってしまう。 「ウソだ。まだ10分も経ってないもん」 「真子に会えない10分は死ぬほど長いんだよ」 真顔で真っ直ぐに見つめらて言われる。