「ありがとう、真子ちゃん」




その言葉に私は微笑みを返した。




風景を切り取るように絵を描く類さんの手元を見つめながら、川沿い特有の爽やかな風を肌に感じていた。




「真子ちゃんにお願いがあるんだけど……」




ふと、類さんが口を開く。




「何ですか?」




小首を傾げて問い返すと、類さんは遠慮がちに言葉を紡いだ。




「よければなんだけど……たまにこうやって話し相手になってくれないかな……?」




寂しげに瞳を揺らして言う類さんに、私はゆっくりと頷いた。