「別に平気だよ」




類さんはそう言うと、少し鉛筆を走らせる。




「何を描いているんですか?」




聞いてみると類さんがスケッチブックを私に渡してくれた。




見てみると、この辺りの風景画だった。




「ここの四季を描いているんだ」




類さんが他のページもめくってくれると、桜の河川敷や、雪の河川敷など、四季折々のスケッチが描かれていた。




「凄く上手ですね!」




平凡な褒め言葉しか出てこなかったけれど、芸術のことはわからないけれど、とても上手いと思った。