「本当は真子と会った時、俺は消えるつもりなんか無かったんだ」




不意にハルキが零す。




どういうこと?




頭を撫でていた手が止まる。




「俺は類が嫌いだった。意気地なしで自分の意思なんて全く無い類が。あいつが主人格なのが許せなくて、いつか類を消してやろうって……。最低だろ……」




私はゆっくりかぶりを振った。




なんとなくハルキの気持ちはわかる。




だって、もしも私がハルキと同じ立ち場だったら、消えたくない。




自分が消えてしまうのは怖い。




ハルキはそんな恐怖と隣り合わせで生きてきたんだ。