「早かったね。まだ時間じゃないのに」 抱き合いながら私が言う。 待ち合わせ時間にはまだ30分以上あった。 「真子こそ早いじゃん」 「私が聞いてるの」 ハルキが小さく笑うのが首元に触れる吐息でわかる。 「真子に早く会いたかったから。類に負けてらんねえからな」 そう言って額にハルキの額が押しつけられる。 「バカ……」