「ふぁ……」 類さんが大きなあくびをする。 「ふふっ」 無防備な姿に、笑みがこぼれてしまう。 「笑えるならもう大丈夫かな。帰るね」 「あ、はい。ありがとうございました」 立ち上がる類さんに続いて私も立ち上がって、ぺこりと頭を下げた。 「真子ちゃんは一人じゃないから」 ふと振り返った類さんが呟く。 頷いた私を見て、類さんは去って行った。 私はその後ろ姿を見送ると涙を流した。