どれくらい泣いただろう。 気付くと私はベンチで眠ってしまっていた。 ふと、頬に何かが触れる感触で私は目を覚ました。 眠い目を擦って周りを見回す。 辺りはもう、陽が落ち始めていた。 「あ、起きた?」 「ハルっ……」 “ハルキ”と言いかけて口をつぐむ。 だって、そこにいたのは類さんだったから。