「ピアスは真子にやったのと同じマグネットピアス。穴は開いてない」 言葉通り、耳たぶにはピアスホールは開いていなかった。 そして、ウイッグとピアスを取ったその姿は紛れも無く“類”さんだった。 「演技して私をからかったの?類さんって実在しない人物を装って……」 声が震える。 怒りとも哀しみとも、なんとも言えない感情が私を支配する。 「違う!」 「何が違うの?」 目頭が熱くなる。