テーブルに置いてあった財布を手に取ると、ハルキは玄関へ向かう。 「え、無いならいいよ。気を遣わないで」 「俺も飲みたいの」 私の遠慮を余所にハルキは外に出て行ってしまった。 急にハルキの部屋に一人残された私。 ちょっと興味本位で、部屋中を見回す。 壁際に扉付きの本棚があった。 扉を開けてみるとハルキに似合わない文芸書がたくさん並んでいた。 「意外……」