私は胸の前で両手を振った。 「待ち合わせは9時なんです。ちょっと早く来ちゃって……」 「そっかぁ、ラブラブでいいね」 そう言った浩介さんから目を伏せて、ピアスに触れた。 自信が無かった……。 私はハルキが好きで、ハルキも私を好きだって言ってくれる。 だけど、この言い知れない不安が私を苛む。 「不安なんです……」 気付けば浩介さんに不安をこぼしていた。