「あ、ねえ、名前は!?」 慌てて口を吐いた。 「ハルキ」 彼はくるっと振り向いてそれだけ言うと、また背を向けた。 「あ、また絡まれないうちに早く帰れよ!」 もう一度振り向いてそう言う彼。 「うん、ありがとう」 何度も振り返る彼に手を振ってお礼を言うと私も立ち上がり、彼とは逆方向の出口へ歩き出した。 これが私と“ハルキ”の出会いだった。