「わかんない…」
思わず俯く。
「はぁ?初恋の人現れたからって、のりかえるの!?」
「初恋の人って?」
ほら~…
声が大きいから、来ちゃったじゃん。
「あ、塔亜くん!!あの…モガッ」
急いでみのりの口を塞いだ。
「あ…あのね、塔亜。何でもないから!!」
そして、
みのりを連れ出そうとドアに向かった
その瞬間!?
──ガシっ
塔亜に腕を掴まれた。
「えっ…」
「琥珀、俺ちょっと話しがあるんだけど」
彼の目つきは真剣で
少し怖かった。
「話し…?」
そのとき、隣からクスッと笑い声がした。
「私なら大丈夫だから、塔亜くんにお貸ししまーす♪」
みのりが私を振りほどき、
満面の笑顔で塔亜の方に押した。
なっ、みのりさん…
「サンキュー。琥珀、ちょっと」
塔亜も可愛いスマイルで返事をする。
わからないのは、
私だけだ。
彼は
さっと私の手を引き
爽やかに教室を駆け抜けた。


