「あ、陸おかえりー。また彼女のとこか〜?」

陸が戻ってきた。
友達が茶化しに入る。

「あーうん、そう。」

会話は聞きたくない。いや、聞かない。
わたしはただ視線を陸に向ける。やっぱり陸はかっこいい。すごく好き、けど伝えられない。


「あ、咲樹。今日俺、帰り一緒に帰れなくなったからごめんな」

彼女、と帰るんだ。

「…うん、わかった。先に帰ってるね」

「知らない人に着いていくなよ」


わざわざ良いのに、毎日彼女と帰ればいいよ。気を使わなくたって大丈夫だよ。てか、知らない人に着いて行くなよって小学生じゃないんだから…。