そっか…それが目的なのか…。

私は、攻撃を止めて兄狼とは正反対の方へ逃げる事にした。

「逃げ切れるものか…、走るのは俺の方が上だぞっ。」

兄狼は、嘲笑っているような感じがする…。
なんか…、絶望感が…。

ううん!!私は思い切り首を振った。
絶対に諦めない!!
諦めたら、そこまでだ!!

逃げ切ってやる…。

と、その時…。

『ムギュ!!』

ん…、今何かを踏んだ!!
振り返ると、弟狼が大の字になってノビている。