「生き延びて、ダイエットしてやる!!」

私は、包丁をしっかりと構えた。


「もっと、高い志はないの?」

と、背中側でお母さんヤギの声がした。
お母さんヤギが真後ろに対しているという事は、弟狼は後ろに回り込んだという事ね。

ということは、狼達は私達を挟み撃ちにするつもりか…。

親子のヤギが対している弟狼の方は、抜けているところがあるから勝ち目があるんだけど…。
こっちの兄狼は…。
近づけたら危ないな…。

そう生理的に感じた私は、足元にあった長い枝を拾った。
これで、接近は塞げるはず…。