そんな時だった。

「だから、いつまでたっても狩りができないんだよ…。ま、いい。そろそろ始めるか…。」

と、兄らしき狼が眼光を光らせ、こちらに歩み寄ってきた。

「兄ちゃん…よろしくな…。」

と、弟は兄から横に離れて、どうやら兄が正面から、弟が違う方向から襲ってくるみたいだ。


木々が生い茂っている森の中…。
見つかるまでは、便利だが、襲われる今は、相手が見づらいし、逃げにくく、絶望感を感じてしまう。

思わず、

『ゴクッ…』

と、生唾を飲んだ私でした。