「バカだなぁ〜、ヤギ達は例え話をしただけで、俺達には気づいてなかったのに…。」

と、もう1頭の狼が立ち上がったのだ。

「ごめん…兄ちゃん…つい…。」


2頭も…相手に…。

私が身構えていると、お母さんヤギが、

「2頭相手だからって、別れて戦ったら勝ち目は無いからね…。あいつらが別れたら、子供達を挟んで、背中合わせで戦うわよ…。」

と、耳打ちをしてきて、私は冷や汗を流しながら頷いた。